イスラエルのテルアビブに住んでいます、がぅちゃんです。

イスラエルの名物ドラァグクイーンショー「WERK／ヴァーク」は、テルアビブの音楽バー「Desire」で定期開催されています。お店の雰囲気や、イスラエルならではのショーの様子を紹介します。

ユダヤ教の宗教行事を執り行うドラァグクイーンたち。（後述）

イスラエルのテルアビブはこんなところ

イスラエルは地中海沿岸の中東地域に位置する国です。国土面積は日本の四国ほどで、人口は860万人ほど。国民の約7割がユダヤ人（内、半数がユダヤ教徒）なので、「ユダヤ人国家」とも呼ばれます。個人の信仰は自由であり、 欧州先進国のような雰囲気があります。

テルアビブのビーチでの一コマ。

そんなイスラエルで最大の商業都市がテルアビブです。イスラエルは「エルサレムが首都」と主張していますが、国際的には認められていません。実際には、各国の大使館はテルアビブに集中し、街は首都のように機能しています 。日本の東京のような状態です。

ビーチ沿いの遊歩道。

テルアビブはゲイフレンドリーな都市

イスラエルはLGBTフレンドリーなスタンスの国です。首相がLGBTコミュニティの擁護を英語で発表することもあります。地中海リゾートとも言われるテルアビブは、近隣諸国（ヨーロッパ）からゲイリゾートと考えられていることもあります。

ゲイビーチ沿いの遊歩道。

関連記事：イスラエル在住ライターが教える、ゲイフレンドリーな都市「テルアビブ」ってどんなところ？

テルアビブで毎年6月に開催される「テルアビブ・ゲイプライド／Tel Aviv Gay Pride」には毎年約25万人が参加し、その規模はアジア大陸のゲイプライドとして最大。「ゲイフレンドリーな都市」として世界的に注目される理由でもあります。

テルアビブ・ゲイプライドの様子。

テルアビブ・ゲイプライドの詳細：アジア最大のゲイパレード！イスラエルの「テルアビブ・ゲイプライド」を解説

テルアビブきってのドラァグクイーンショー「WERK」

ヘブライ語の楽曲でパフォーマンスするドラァグクイーン。

ゲイフレンドリーなテルアビブで、その知名度において右に出るモノがないほど有名なドラァグクイーンショーが「WERK」です。ドラァグクイーン関する質問を現地のゲイたちに質問してみると、必ずと言っていいほど「WERK／ヴァーク」の名前が挙がります。 

イスラエルのアリアナグランデ「Noa Kiel」の楽曲で踊るドラァグクイーン。

「WERK」の知名度は圧倒的なので、「テルアビブで最も有名なドラァグクイーンショー」と言い切ってよい気がします。ゲイの娯楽に関して「テルアビブで一番」はたいてい「イスラエルで一番」を意味するので、この国で一番のドラァグクイーンショーと言えます。

Noa Kielは、米・アトランティックレコードとイスラエル人史上初の契約を結んだ歌手。

「WERK」の開催日

「WERK」は毎週火曜日の夜に開催されます。ほぼ毎回、音楽バーの「Desire」で開催されますが、場所が変わることもあります。「WERK」の影響で「Desire」はゲイバーみたいな扱いになることがありますが、ゲイバーではありません。

「Desire」の外観。

ゲイバーに関しての余談ですが、テルアビブでは不定期で「ゲイバー状態」になるバーやカフェがたくさんあります。それほど、ゲイの娯楽が一般社会に溶け込んでいるということでもあります。ハッテン場でもないかぎり、とくにアングラではありません。 

関連記事：中東最強のゲイタウン！イスラエル・テルアビブのハッテン場ガイド

音楽バーの「Desire」の雰囲気

ではこれより、ドラァグクイーンショー当日の 「Desire」の様子を紹介します。ドラァグクイーンショーはパフォーマンスとして人気といった様子で、ゲイやレズビアン以外の客もそこそこいます。ショー当日の店内は「ゲイフレンドリーカフェ」といった雰囲気。

バーカウンターの奥にステージがある。

バーカウンター。モニターでショーを鑑賞できる。

英語のメニューもある。アルコールは各種揃っている。

「Edamame／エダマメ」はイスラエルでもそこそこ定番。

イスラエルの地ビール「ネゲヴ・ビール」。330mlで26シェケル／780円。

ネゲヴ砂漠。（の道路）

ショーの最中は通路まで混む。

ドラァグクイーンショーの様子

イスラエル軍・現役戦闘兵ドラァグクイーンと話題になった「Mama De La Smallah」。

MCはイスラエルの公用語であるヘブライ語で進行します。会場にはたいてい外国人観光客もいるので、ときどき英語を交えて客をいじったりしつつ、目で楽しめる即興コントのような茶番など取り入れて場を盛り上げます。 

英語で下ネタを交えて客をいじるドラァグクイーン。

パフォーマンスは、万国共通で王道な、安心感のあるドラッグクイーンショーといった内容が多いです。英語の曲はやはり人気。別の言い方をすれば、言語にかかわらず楽しめるドラッグクイーンショーだと思います。 

アリアナグランデの楽曲「thank u, next」 を表現したフリップ芸のようなパフォーマンス。

イスラエル特有のパフォーマンス

ユダヤ教の行事「ハヌカー」で、特別な燭台(しょくだい)に火を灯すドラァグクイーン。

そもそもイスラエルの年間行事はユダヤ暦に基づいていて、ユダヤ教の信仰にかかわらず、生活文化が自動的にユダヤ教の文化になっています。これは、初詣などの宗教活動を無意識で実践できる日本の環境に近いものがあります。

ホワイトハウスで燭台に火を灯すイスラエル大統領。同じ歌「Ma’oz Tzur」が歌われる。

WERKの詳細

・開催場所：音楽バー「Desire」／Carlebach St 25, Tel Aviv-Yafo

・開催日：毎週火曜

・開催時間：たいてい20時〜

※詳細はHPにて。

「Desire」の位置。