ライターのがぅちゃんです。アメリカ有数のゲイタウン、マサチューセッツ州の「プロビンスタウン」に滞在しています。地域が強く支持する民主党のジョー・バイデン氏の勝利が確定した直後の様子を紹介します。
46代目のアメリカ大統領の座をかけて、「ジョー・バイデン」と「ドナルド・トランプ」が対決していました。
ドナルド・トランプは「共和党/Republican Party」であり、「同性愛に反対」という人はこの党の支持者が多い印象です。
それに対し、ジョー・バイデンは「民主党/Democratic Party」。LGBTフレンドリーな態度の人はこちらの支持が多い印象。ちなみに、44代目のオバマ大統領も民主党です。
投票日だった2020年11月3日(火)の4日後、11月7日(土)に、民主党のジョー・バイデン氏の勝利が事実上確定という状態になりました。
アメリカの大統領選挙の盛り上がりはすさまじく、結果発表の期間中は「話題はそれでもちきり」といった状態になっていました。
この独特のかんじを日本のテレビでむりやり例えるならば、大晦日の「笑ってはいけない」と「紅白歌合戦」が合体したようなつよさ。
結果発表は徐々に行われ、テレビやネットで逐一放送されます。このご時世に「テレビにかじりつく」という状況が、生で見られたのが新鮮でした。
プロビンスタウンのゲイたちの中にも、この時ばかりはセックスも惜しんで(コロナもあるし)、仕事も休んで、テレビで選挙の結果を見る。という人がいました(じぶん調べ)。
個人の感想ですが、アメリカで「何党を支持するか?」というやつには「宗教」に近いものがあるようにも感じます。
政治の影響が目に見えて強力なためか、自分と違うスタンスの政党を支持すれば「問答無用でイタいひと」のような扱いをうける可能性もあるように見えます。
民主党支持者が多いマサチューセッツ州でゲイアプリをひらくと、「turnoffs:Trump supporters, drugs(ナシ:トランプ支持者、違法薬物)」などの表記も、ちらほら。
SNSで、一部のトランプ支持者の言動がオカルトじみててヘンと話題になったりしますが、逆に彼らには、LGBTや自分と異なる人種のひとがそういうふうに見えている。
……と思えるほど、しっかり食い違った世界線の存在を感じます。そしてアメリカの大統領選挙には、そういう「世界線の殺り合い」のような壮絶さがあるのではないか。
すくなくとも、外国人でアメリカ人でない私には、そういうふうにも思えることが無きにしも非ずでした。
アメリカ東海岸のマサチューセッツ州にある有名なゲイタウンが「プロビンスタウン/ Provincetown」。毎年・夏に開催される「ベアウィーク・プロビンスタウン」は有名で、世界で最も人気のゲイイベントのひとつです。
詳細:世界最大級のベアウィーク!アメリカの「ベアウィーク・プロビンスタウン」の様子
マサチューセッツ州はリベラルな体質であり、アメリカで初めて同性婚が認められた州でもあります。プロビンスタウンでは、かねてから至るところで「ジョー・バイデン支持」を示す旗が掲揚され、かるく「バイデン村」のような状態でした。
これがアメリカか…… pic.twitter.com/Q7EyIF7az5
— がぅちゃんUSA (@panda_no_blog) November 7, 2020
そんなプロビンスタウンなので、反応は早かったです。4日もじらされていた(?)人々が堰を切ったように街にあふれ、祝福を共有していました。車のクラクションが、たえずプッププップいってる状態。家にいても「ななな何事だ?」と胸騒ぎするレベル。
これがアメリカか…… pic.twitter.com/JtFyonZVbu
— がぅちゃんUSA (@panda_no_blog) November 7, 2020
車のクラクションをならしながら街をかけぬける…というのを、けっこうな人がやっている状況。ふつうなら逆ギレできそうなボリュームの連続クラクションにも笑顔で手を振る、という環境が展開していました。
アメリカ大統領選ほぼ確定した直後のアメリカ、車のクラクションが絶え間なく鳴り響きすぎてて、ややこわい pic.twitter.com/5AMEB0sZVr
— がぅちゃんUSA (@panda_no_blog) November 7, 2020
車に関して、まえに住んでいた中東のイスラエルで見た「結婚する人たちが車を乗り回してクラクションをならす文化」を思い出しました。発想が似てる…というか同じ。やっぱりアメリカもイスラエルも、アッパーなタイプの文化だなとしみじみ感じました。
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プロビンスタウンのメインストリート「コマーシャル通り/Commercial St」には多くの人が駆けつけており、もはや臨時レインボーパレードのような状態に。(ソーシャルディスタンス、どこいった?)
ソーシャルディスタンスどっかいった。(ド兄ぃといっしょに) pic.twitter.com/n7o431QynY
— がぅちゃんUSA (@panda_no_blog) November 7, 2020
完全に余談ですが、じぶんの耳がクラクションで完全に麻痺していて、背後で鳴っていた丁寧なすかっし屁のようなクラクションが「ごめん本当にどいてくれ」を意味していることに気づくのには、かなり時間がかかりました。