旅ライターのがぅちゃん> です。ゲイ向けでは無いけれど…ゲイたちにおすすめしたいエッジの効いたお店を紹介する連載企画〈GAYめし〉。
今回はイスラエルのエルサレムにある現代イスラエル料理の名店「マハネユダ」を紹介します。
イスラエルは地中海沿岸の中東エリアにある国です。大きさは四国ほどで人口は約900万人。東欧出身のユダヤ人が建国した歴史があり、制度はヨーロッパスタンダード。国民の約7割はユダヤ人と言われており、世界で最もユダヤ人が多く暮らす国です。
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余談ですが、世界で2番目にユダヤ人が多いのがアメリカ。
映画「ワンダーウーマン」のガル・ガドット、ロックバンド「Kiss」のジーン・シモンズ、女優のナタリー・ポートマンはイスラエル出身。
ナタリー・ポートマンの出身地でもあるエルサレムは、国内で最も人口が多い都市です。
イスラエルはエルサレムを独自に首都と宣言していますが、国際的には認められていません。一応、国内で人口第二の都市「テルアビブ」が首都のように機能しています。
エルサレムは「西エルサレム」と「東エルサレム」に分かれており、西エルサレムにダウンタウンやイスラエルの政治の中枢機関があります。
エルサレムで唯一の(故に老舗の)ゲイバー「ビデオパブ」も西エルサレムにあります。
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東エルサレムには、世界遺産の「エルサレム旧市街」があります。
キリストの墓がある「聖墳墓(せいふんぼ)教会」、ユダヤ教の最重要聖地「嘆きの壁」、イスラム教の聖地「岩のドーム」をはじめとする、レジェンド級の聖地が全て旧市街に集結しています。
エルサレムはキリストの死(キリスト教の始まり)を司る地域なので、世界中(とくに欧米)からの聖地巡礼の観光客でにぎわっています。
東エルサレムはイスラエルが実効支配しているとされる地域なのですが、実質は「イスラエルの観光地」のような状態です。
西エルサレムには、「マハネイェフダ市場」という有名な市場があります。
そのすぐ裏に位置するのが、レストランの「マハネユダ/Machneyuda」です。「地中海料理」と「中東料理」を取り扱う、「現代イスラエル料理」のお店です。
「イスラエル料理が無い*」という特殊事情が存在するイスラエルにおいて、「イスラエル料理を確立しつつあるもの」は注目される傾向があります。マハネユダは、そのフロントランナーと言えるようなお店。
*イスラエルは1948年に東欧系移民によって建国された国。国民の母国料理が海外料理という状況がまだあり、「世界が納得するイスラエル発祥の料理」が誕生していない。
ただし「イスラエルの定番料理」はある。今は、それに独自のアレンジを加えている段階。
店内のインテリアは特に凝っておらず、「感じのよいイスラエル人の家」という雰囲気。
店員さんのテンションはすこぶる高く、音楽は爆音(と感じたけどうるさくない)。 イスラエルのバイブスを分かりやすく感じられるのも、マハネユダの特徴。
近所(マハネイェフダ市場)で仕入れた食材でイスラエルの定番料理をアップデートした、といった内容。
プリント1枚で読みやすく、おつまみ、スターター、メイン、デザートといいう構成。ドリンクも各種あります。料理は、尖っているのにピリピリしてない、ボヘミアンなクラフツマンシップを感じます。
ブリとイチジクの刺身
地中海に面するイスラエルでは「Sashimi/刺身」はわりと一般的なメニュー。日本の刺身とは違い、カルパッチョのようにして食べます。
イチジクは、ユダヤ教の聖書に記載された由緒正しき七食材の一つ。イスラエルでは定番の果物で、日本の「ランチパック」くらい、そのへんで売っています。
スズキのファラフェル
「ファラフェル」は中東では広く食される「ひよこ豆のコロッケ」で、イスラエルを代表する定番料理の一つです。
国内ではイケアでも売っています。ファラフェルの一般的な材料は、クミン、タマネギ、ニンニク、パセリ、コリアンダー(パクチー)。 スズキは、イスラエルのシーフードとしては最もオーソドックスな魚です。
ひきにくのケバブ
マハネユダの名物メニューがこれです。イスラエルのケバブはミートボール状が一般的。
にもかかわらず、ひき肉をケバブと呼ぶこの感じ、とがった焼き鳥屋がそぼろを「シン・ヤキトリ」 と呼ぶ、みたいなおもしろみがあります。
風味は中東料理。ラムの油、クローブ、ハリッサ(北アフリカの調味料)、クミン、などが含まれます。
エルサレムに観光する際は、西エルサレムに宿泊するのが一般的だと思います。マハネユダは、ゲイバーやゲイフレンドリーフェが集結するダウンタウンからも近く、アクセスは簡単です。
イスラエルはLGBTフレンドリーな国なのですが、マハネユダも確実にそっちよりのバイブスのお店です。
料理もコーシャ(ユダヤ教の食の戒律にのっとった料理)ではないので、観光客でも楽しみやすい内容だと思います。