旅ライターのがぅちゃんです。
英語圏の芸人による漫談を「スタンダップコメディ」といいます。アメリカやイギリスで主流のお笑いです。
今回は、LGBTQ当事者も多いスタンダップコメディアンの中から、ベア系と呼ぶにふさわしい芸人たちをピックアップしました。(動画つき)
スタンダップコメディ(stand-up comedy)とは、ジョークで観客を笑わせるパフォーマンスのこと。一人でやるのが普通なので、日本の「ピン芸人」に通づるものがあります。
雰囲気を例えると、TV番組「人志松本のすべらない話」で放送されるような話を舞台で披露する芸。と言えます。
ちなみに「兵動大樹のおしゃべり大好き。」は、完全にスタンダップコメディです。
スタンダップコメディはアメリカのアートとも言われています。
ルーツは、黒人への差別的な表現で知られる1840年代の大衆演劇「ミンストレル・ショー」。
そこで行われた話芸「スタンプ・スピーチ」がスタンダップコメディの先駆け。という考え方です。なお、現代のスタンプ・スピーチは「街頭演説」を意味します。
政治家のスピーチがスタンダップコメディになっている時もあります。
2011年のオバマ大統領のスピーチが有名で、会場にいたドナルド・トランプをスタンダップコメディのいじり芸「ロースト」で笑い物にして話題になりました。
英語圏では一般論のスタンダップコメディ。その本質は「ストーリーテリング」と言われています。「あの感じを伝える」という術のことです。
つまり物書きによる表現なので、文学に通づるところがあります。
今では、LGBTQ当事者によるスタンダップコメディもありふれたコンテンツになっており、そこでいよいよ表面化したのが「ベア系ネタ」というわけです。
それでは、ベア系のスタンダップコメディアンたちを紹介していきます。
ベア系ゲイであることを公言している、ガイ・ブラナム。
ややステレオタイプな辛口のゲイが、自虐気味にベア系ゲイについて啓蒙するという芸風。とがったゲイバーのママみたいな態度でおもしろいです。
「ベア系ゲイの目の保養であるために何をすべきか」を誰より考えているであろう、バート・クライシャー。エッチな芸ですがゲイではないです。
ネタは「おばか一辺倒」。すっからかんと見せかけて実力者なので、見ていて飽きません。家族の話も多く、心がポカポカします。天才だと思います。
「アメリカの田舎のおっちゃん」という雰囲気が最高な、ラリー・ザ・ケーブルガイ。肉体労働者の漫談「ブルーカラーコメディ」の名手です。ごりごりのノンケ。
えらいもんで、LGBTQをストレートにいじったりします。肉体労働者の中でも保守的な「レッドネック」と呼ばれる人々の漫談とも言われています。
ゲイを侮辱せずにゲイをいじれる数少ない実力者が、ジム・ガフィガン。アメリカで最高のスタンダップコメディアンの一人と考えられています。
芸風はチャーミングでいじわる。もうゲイにしか見えないときもありますが、ゲイではないです。
チャーミングでいじわるで、ベア系ゲイのルックスを自覚しているのが、トム・セグラ。ど下ネタをしれっと言うのでエッチですが、まず知性が臭います。
余談ですが、バート・クライシャーと共演しているポッドキャスト番組「2 Bears, 1 Cave」が、ベア系ゲイカップルのよう。2人ともゲイではないです。
アメリカの国民的スターのケヴィン・ジェームズ。俳優としても有名です。ネタは家族と一緒に笑える内容で、安心感があります。
いかにもな、アメリカのへトロセクシャル・ダディ。
自分のルックスをネタにすることも多い、J.C. クライス。カラッと笑える馬鹿話が多いです。ほっこりします。
ベア系ゲイに間違われた時のネタがSNSで話題です。
ティム・ディロンは怒っています。でっち上げてくる社会や無防備な大衆に、物申すスタイル。「やや保守的なゲイ」という人物像と相まって、説得力があります。
「ベア系ゲイです」と自ら謳っていくガイ・ブラナムとは別次元の、リアルなゲイ漫談。
中東のパレスチナという国にルーツがある、モハメド・アマー。マイノリティとしての人生をネタにした、典型的な「ヘリテージ・コメディ」。
現代社会の個人のリアリティ描写に定評がある制作会社「A24」によるTVドラマ「Mo」で、出演・脚本を務めて話題になりました。
ラテン漫談のレジェンドが、ガブリエル・イグレシアス。メキシコ系アメリカ人によるヘリテージ・コメディです。
声がいいので、言葉ぬきで楽しめます。
マティー・マセソンはシェフです。芸人ではないです。でもなぜか笑っちゃいます。