先日、LGBTカミングアウト・フォト・プロジェクト『OUT IN JAPAN』の第二弾撮影が終了した。
『OUT IN JAPAN』は、2020年までに合計10000人のLGBTを撮影する壮大なプロジェクト。第一弾から引き続き、世界的に活躍する写真家レスリー・キー氏がフォトグラファーとして参加した。
LGBT支援を掲げるレスリーが、写真を通して伝えたかった思いとは?
この『OUT IN JAPAN』のプロジェクトに参加したキッカケは?
レスリー・キー:遡ると4年前、GQ誌のLGBT企画でゴン(グッドエイジングエールズ代表の松中権氏)と知り合ったんだ。おそらく、その時が日本で初めてのLGBT特集だったと思う。それから意気投合して、日本のLGBT支援で何か出来ることはないかと考えていたんだ。
僕の写真のテーマとして、『WE ARE THE WORLD』というテーマを掲げているんだ。それはダイバーシティを意味していて、セクシャリティ、年齢、人種などは一切関係なく、人と愛をテーマに作品を作っているから。もちろんその中にはLGBTも含まれている。
このプロジェクトに参加したのは、僕にとってLGBTというテーマが必然だからなんだよね。
現在、世界中で同性婚ができる国が増えているけど、日本は先進国なのにLGBT理解がかなり遅れている。未だに、LGBTの存在を知らない日本人がいることが恥ずかしいよ。
人にしても文化にしても、社会はもっとLGBTを自然なものと認識して受け入れるべきだよ。”あの人はお茶が好き”、”このジャンルの音楽が好き”、という感じで、LGBTは単なる個性の一つだからね。
『OUT IN JAPAN』の第一弾、第二弾と撮影に参加されていますが、LGBTの方々と触れ合ってどのような印象を受けますか?
撮影してみて思うのは、LGBTの人たちは精神的に強いね!
やはり社会に対して戦っている人が多いからか、内面から溢れ出るエネルギーが違うなあと感じるよ。ストレートの人たちより断然強い人が多いんじゃないかな。
過去にNYで活動をされていましたが、日本と比べてLGBTの人々は多かったですか?
そうだね。NYのヘアメイクやスタイリストなど業界人の約8割はLGBTだったよ。才能のある人がすごく多かった。日本は多分1割にも満たないし、相当少ないと思うよ。
NYのストレートの人たちは、LGBTに対してどのように接していましたか?
全くもって普通だよね。なぜかというと、NYではRENT(レント)に代表される舞台や映画、TVにもLGBTをテーマにした作品が数多く存在していて、LGBTに対する情報が溢れている。
正しい知識があるからこそ、人に対して寛容になれると思う。そこは日本とは大きく違うところだね。日本ではLGBTを扱った情報が少ないが為に、ストレートたちに正しい知識が行き渡っていないんだよ。
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