2017/11/27

15年の歴史に幕を下ろす「Shangri-La」。オーガナイザーが語る、ゲイナイトの未来とは?

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───昔は「出会う」ことに一生懸命だった。出会いの場としてのゲイナイトの存在

 

最近では、クラブの集客が厳しい時代といわれています。長年オーガナイザーとして運営されてきて、この変化をどう感じますか?

 

いまは二丁目やクラブなど外に出かけて遊ぶ「アウト」ではなく、友達と家で集まってホムパする「イン」の傾向が強いですよね。

だから週末の二丁目でも人が少なくなり、ゲイナイトもどんどん廃れていっています。

 

もちろん、昔と今では時代が違います。

今の40代は団塊Jr世代といわれていて、彼らが20代の時に、私がゲイナイトをやり始めた時だと思います。その時は毎週1000人規模で、やってもやっても人が途切れなかった。

ですが、今の20代は当時と半分ぐらいの人口しかいない。

 

また、昔遊んでいた現在の40代も、中盤〜後半にさしかかると、ゲイナイトは体力的にもきつくなってきて、「週末は友達とワイン飲みながら料理作ってまったりホムパしよ」となる。それが40・50代だったらいいと思うんです。

 

だけど、20・30代ならもっと外に出て遊ぶべきだと思うし、家での遊びは40・50代になってからでもできる。体力のある今だからこそできる遊びをした方がいいと思います。

 

そういう意味でも、ゲイナイトがあるべきだし、二丁目がもっともっと楽しい場所であるべきだと思っています。もちろん、クラブ側、サービスを提供する二丁目側も努力しなければいけないですよね。

 

「いまの20代はお金がないから使わないです」ではなく、所得も人口も少ない20代にどうやったらきてもらえるのか?最大限のサービスと知恵をしぼらないといけないと思います。

 

 

今ではゲイアプリの台頭によって、二丁目やクラブなど「リアルな場での出会い」が少なくなっていますよね。

 

昔と今で思うのは、昔のゲイは出会うことに一生懸命だったんですよね。

昔は連絡手段が少ないですから、特に地方に住んでいるゲイたちは、夏休みや正月休みの大型連休に東京に出会いを求めに集まる。

 

クラブ内では日本全国の方言が飛び交っていて面白かったし、またせっかく東京にきたからには何発かイケメンとやって帰りたいわけですから(笑)とにかく出会いに一生懸命だった。

 

タイプの子がいると積極的にアプローチするんですよ。だってこれを逃すと次いつチャンスくるかわからないよね?と。

また、やっと出会えた人だから、多少「アレ違うかも?」と思っても、なんとか恋愛を成就させたいっていう想いがあった。

 

逆に今って、アプリで簡単に出会いはあるけど、その反面、簡単に関係を切ってしまう。人間関係が希薄な時代ですよね。

 

そういうのもあり、ゲイナイトの意義はとても感じます。

ゲイナイトに来る目的や楽しむ動機は人それぞれですが、私がオーガナイザーとして一番大切にしていることは「出会いの場」を作りたいと思っています。

 

また、単に出会うことだけが目的ではなく、出会いに至るまでのプロセスとしてのダンスミュージックだったり、パフォーマンスだったりと、気分を盛り上げる様々な仕掛けがある。

 

楽しい仕掛けで驚きと感動を提供し、最終的に「出会い」がある───これは、ゲイナイトを24年やってきて一貫したテーマに掲げています。

 

 

Photo by YUTO

 

おっしゃる通り、バーチャルな世界の希薄な人間関係は、そろそろみんな気付いているかもしれません。特に出会いに関していうと、原点回帰というか「アナログに戻る」ことは起こりそうです

 

本当にそう思いますね。

SNSや出会い系アプリにより出会いの数は増えたけど、すぐ終わりやすい。

 

例えば、本当に出会いが欲しいのなら、二丁目にいくなりゲイナイトにいくなりして、リアルに行動を起こす時がきつつある。これからはより密な「出会いの場」としてのゲイナイトが必要になってくるでしょう。

 

もう一つ、ゲイナイトの役割として思うのは「競争の場」ですね。

ゲイナイトなどのパーティーシーンって、競争の最たるものなんですよ。

 

現代の行き過ぎたゲイヒエラルキーやシャイニーがどうとか、っていう話ではなく、「アイツよりも勝りたいから、良いカラダになってやるぞ!」といったように、純粋に努力することが少なくなってきています。

 

 

Photo by YUTO

 

もちろんカラダなどの外見だけでなく内面的なこともですが、競争心がないことには人は向上できない。

その「競争の場」としてもゲイナイトの必要性は感じますね。

 

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