これまで『ウィークエンド』『LOOKING』など、ゲイテーマの作品を数多く手掛けてきました。今回はゲイ映画ではないですが、作品製作における一貫したテーマはあるのでしょうか?
私自身がゲイなので、ゲイの恋愛に興味を持って映画を作ってきました。
『ウィークエンド』『LOOKING』も、自分たちのアイデンティティーをどう理解するのか?また、我々の関係性をどう理解するのか?が鍵になっています。
「相手を理解するということ」「誰かとつながりたい」とすることを、ゲイ映画でもそうではない作品においても、私の一貫した製作テーマとして掲げています。
今後は、セクシャリティを問わない作品を作られるのでしょうか?
そうですね。私の映画は、恋愛関係を描くことはありますが、登場人物がどのようなセクシャリティなのか、どのような環境にいるかはあまり関係がなく、その人物にフォーカスした作品を作り続けていく予定です。
今後の作品といえば、先日、アレキサンダー・マックイーンの伝記映画を撮ると発表されましたね。どのようにマックイーンを描く予定ですか?
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その件に関しては、あまり多くを語れないです。それは脚本にかかっているところなので。
彼は仕事に対して天才的なところがあり、私はその部分に非常に魅了されました。
また、よく聞かれるのですが、ファッションに興味を持ったというよりも、マックイーン自身にとても興味があります。
オープンリーゲイとして知られるマックイーンですが、彼の恋愛やラブシーンも描く予定はありますか?
それらを話すのはまだ早いですね、なぜなら現段階では製作決定したのみで、2017年から製作スタート予定だからです。
なので、まずは本作『さざなみ』を是非観て欲しいですね。
監督は同性婚をされていますが、本作で描かれているような「夫婦の危機」的状況はこれまでにありましたか?
うむ、それはないですね!同じ状況はないにしろ、重なる部分はあります。
恋愛関係をきちんと保つ為にはお互い努力しなければならないし、私も常にパートナーを理解しようと努力しています。
愛をテーマにした作品が多いヘイ監督ですが、監督の考える「愛」とは何でしょう?
とても難しい質問ですね(笑)
私が思う愛は「一人ではないという感覚」です。
恋をしているということは、それ以外が良くなることではないですが、恋をしていると、誰かと自分の人生を共有している感覚を味わうことができます。
相手もそれを理解してくれるのであれば、お互いが生きやすくなる。愛とは、人生を楽しみ続ける秘訣なのかもしれません。
話しを戻しまして、本作『さざなみ』をどのような人々に観て欲しいですか?
いろんな人に観て欲しいですね。老若男女、セクシャリティ問わず。
観た人が「人生において何かしらの疑問を投げかける」映画になれればと思っています。
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映画『さざなみ』は、2016年4月9日(土)よりシネスイッチ銀座ほかロードショー。