LGBTQの子供のいじめ、自殺を救うため
アップルCEOティム・クックが、米TV番組で自身のセクシュアリティについて言及。「ゲイであることは神が私にくれた最も大きな贈り物」と語った。
ティム・クックといえば、4年前にゲイであることをカミングアウトし大きなニュースになったが、本人からカミングアウトについて具体的に語ることはなかった。
クック氏はビジネス面を含め多くを語らないことで知られており、プライベートについて言及することは皆無だった。
そんな中、10月24日に放送された米公共放送PBSの番組で単独インタビューに応じたクック氏は、初めてそのキッカケについて語る。
カミングアウトする以前、ネット上ではクック氏のセクシュアリティに関する噂が広まっており、本人こそ語っていないがゲイということはほとんど周知されていた。
そんな中、ネット上でクック氏のことをゲイと知った子供たちから、メールや手紙をもらうようになったという。
その子供たちとは、セクシュアリティが原因で仲間はずれにされ、いじめられ、または虐待を受けたと訴える子どもたち。その多くは自殺していたという。
それを受けたクック氏は衝撃を受け、「彼らのために何かする必要があった」「たとえゲイであっても人生で大きな仕事をすることができることを身をもって示したかったのです」と語った。
その上で、カミングアウトによって救える人々がいるのなら、自身のアイデンティを語らないことは「自己中心的だ」と思い、カミングアウトに踏み切ったそうだ。
カミングアウトについては「後悔していない」と語っており、その上で「ゲイであることは神が私にくれた最大の贈り物」「少数派の人間となることが、どんなことかを学びました。この感覚が多数派に属さない、他の人々への共感を教えてくれたのです」とも語っている。
時価総額世界1位の「アップル」CEOという立場から、自身の影響力により救える命があると判断したカミングアウト。
クック氏の英断は、世界中のLGBTQを勇気付けたことだろう。