2月14日、バレンタインデーの日に、「同性間の婚姻を認めないのは、憲法違反」だとして、全国の同性カップル13組が国を相手に一斉提訴した。
同性婚ができないことへの違憲性を真っ向から問う訴訟は国内初めてとなる。
東京、大阪、名古屋、札幌で合計13組の同性カップルが訴訟を起こした。
東京では東京地方裁判所にて訴状が提出され、メディア向けに記者会見が行われた。
原告のゲイカップルの一人、相場さん(40)は「自分たちは特別な権利を求めているわけではない。平等が欲しいだけです」と語り、パートナーの古積さん(45)は「ここにいない全国のセクシュアルマイノリティーのためにも戦いたい」と語った。
レズビアンのカップルの中島さん(40)は、「日本の歴史の中で同性婚が認められるスタートの一歩になれればいいな」と語った。
中島さんはパートナーであるドイツ人のバウマンさん(32)とドイツで同性婚をあげているが、日本では配偶者ビザが取れないため、同性婚の法的な必要性を訴えている。
レズビアンの大江さん(58)は、同性婚だけでなく現行の婚姻制度についても考えるキッカケになってほしいと語り、20年来のパートナーの小川さん(55)も、「日本では結婚できない、スタート地点にも立てない不平等がある。これから長い裁判を応援してもらいたい」と語った。
また、レズビアンながら、異性愛者のフリをし男性と結婚した過去をもつ西川さん(40代)は、「自分を偽ってきた辛い過去は、わたしの世代で終わりにしたい」と痛切に語る。
『結婚』という選択は、したい人はすればいいし、したくない人はしなくてもいい。しかし現在の日本では、同性同士は結婚ができないため、選択できる自由がない。
このことについて、ゲイカップルのただしさん(50)はこう語す。
「”結婚”は自分には関係ないことだと思って生きてきたので、当初はこの訴訟も関係ないと思っていました。だけど、もし結婚ができたら(同性カップルでも)結婚式ができるし、2人で買うマイホーム、子育てなどができるかもしれない。これからの若い世代のために、結婚という選択肢のある社会になってほしいです」
現在、同性婚が認められている国は世界25ヶ国。
先進国のほとんどで認められているが、G7で同性婚が認められていない国は日本だけである。
2020年のオリンピック開催が迫り、世界規模でダイバーシティが叫ばれる昨今、日本は人権において後進国といえるだろう。
同性婚への法整備が一向に進まないことを受け、国内初なる裁判がスタートしたのだ。
今回のような「同性カップルの婚姻を認めないのは憲法違反」として国を訴え、同性婚が認められたケースは諸外国で多い。
2015年のアメリカでは、全米50州にて「同性婚を認めないのは違憲」とした最高裁の判決が下り、同性婚が可能となっていた。
今回の裁判もおそらく最高裁までいくとみられているが、その場合だと5年ほどかかると弁護団は見ており、かなりの長期戦となるようだ。
全国の同性カップル、結婚したいすべての人のために立ち上がった勇気ある13組のカップルたち。
また今日から裁判に向けたクラウドファンディングもスタートしているので、もし「カップルたちを応援したい!」「同性婚を応援したい!」という人はぜひとも支援してみてはどうだろうか。