太った状態(肥満)が健康に害を与えることは言わずもがなだが、「肥満になると記憶力が低下する」という驚きの研究結果が、英ケンブリッジ大学の研究チームにより発表された。
研究では、18‐35歳の、BMIが18‐51の50人を対象に記憶力のテストを実施。BMI値は、18-25が普通の状態、25‐30が過体重、30以上が肥満とされている。
その結果、太っている人は普通体型・痩せている人に比べ、記憶力が15%程低いことが判明。過体重(肥満)であれば記憶力の悪さと直接的な関係性があることを発見した。
同研究を行ったルーシー・チーク氏によると、「空腹感と満腹感はどちらも体と脳のホルモンバランスの働きと関係があるものの、心理的要素も重要な役割を果たしている。例えば、テレビや仕事に注意力が奪われるとたくさん食べ、悲しい時は食べて慰めを求めようとする」
「人はエピソード記憶に頼って最近食べた食事の程度を記憶し、空腹感とその後の飲食量を決める。言い換えれば、肥満になると、何をどれほど食べたかを記憶しにくくなり、過度の飲食につながる可能性がある」と分析している。
太め男性たちは、体だけでなく脳の悪影響にも注意が必要だ。