49人が死亡し、53人が負傷した「米史上最悪」といわれているフロリダ州オーランドで起きたゲイクラブ銃乱射事件。オマール・マティーン(Omar Mateen)容疑者の”意外”な素性を様々なメディアが伝えている。
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オマールは犯行現場のゲイクラブ「パルス(Pulse)」の常連だった?
少なくともすでに4人のパルスの常連客が「オマールを以前パルスで見た」と証言している。「彼をパルスで何回も見たよ。彼は、よく1人でバーの隅で飲んでいた。ひどく酔っ払ってけんか腰になっているときもあった」「僕は彼とはそんなに話さなかったけど、彼がときどきお父さんのことについて話していたのを覚えているよ。あと「妻と子どもがいる」とも言っていたよ。」と常連客の1人であるタイ・スミス(Ty Smith)は言う。
犯行動機が「2人の男性のキスを見て頭にきた」はありえない?
オマールの父セディケ氏は息子の犯行動機について、NBCニュースの取材に対し「数ヶ月前にフロリダ州マイアミの繁華街で男性2人がキスしているところに妻と息子と遭遇し、激怒していた。それが引き金になったのかもしれない」と語っている。
しかしパルスの常連客いわく、それは「ありえない」という。「彼は、3年以上もクラブの常連だったし、クラブで彼と一緒にいた人たちは彼の前でキス以上のこともしてたんだ。マイアミでの男性同士のキスが引き金になるはずがない」
「オマールとジャックド(Jack’d)で話したことあるよ」
別の常連客であるケビン・ウェスト(Kevin West)によるとオマール容疑者はゲイアプリ「ジャックド(Jack’d)」を利用しており、ケビン自身もアプリで話したことがあるという。
アプリでのやり取りで会うには至らなかったものの、事件が起きる一時間ほど前である夜中の1時頃に横断歩道で偶然オマールを見かけ、挨拶を交わしたという。
オマールはニューヨークに生まれ、子どもの頃に家族とフロリダ州に越してきたという。父曰く「マイアミの高校と大学を卒業して優秀だった」そうだ。
犯行直前に911(緊急通報電話)に電話をかけISISに忠誠を誓い、ボストン・マラソン爆破テロ事件についても言及したと言われている容疑者。
長期にわたる犯行現場への出入りや、ゲイアプリの利用は、入念な犯行準備のためだったのか?それとも、宗教と自身のセクシャリティの板挟みの葛藤の末に起こした犯行なのか。
当初、ISISによるテロ行為や、ヘイトクライムによる犯行と報じられていたが、真相はより根深く、複雑に絡み合っている。