「HIV陽性者でも治療をしていればHIVは移らない」という、研究結果が明らかとなった。
この調査結果は、オーストラリアのニューサウスウェールズ大学の研究チームが発表したもので、オーストラリア、ブラジル、タイの343組のカップルを4年間かけて調査。
同調査では、コンドーム無しでアナルセックスをしているHIV陽性者×陰性者カップルを調査したところ、343組中、HIV感染は0件だった。(PrEPを使っている人はいなかった)
また期間中、12,000件以上のコンドーム無しのアナルセックスがあったがHIV感染は0だったそうだ。
このことから、HIV陽性者であっても治療を続けていれば(ウイルス検出限界以下)相手にHIVを移さないことが科学的に証明された。これを「U=U」という。
ちなみに、2016年にも1166組を対象にした同様の調査が行われたが、そこでもHIV感染者で治療を継続している人からパートナーへの感染は0件だった。
同調査を行なったベンジャミン・バビントン氏は、「この調査結果はゲイ・バイ男性にとって非常に有益であり、HIVの偏見をなくす為にとても重要です」と語っている。
2件の大規模な調査結果から、たとえ相手がHIV陽性者であっても、適切な治療を続けていれば、HIV感染していない人とほぼ同じということが分かる。
さらに最近の研究では、HIV陽性者と非感染者の寿命はほぼ同じという結果もあるほど、医療の進歩により今までと変わらない生活を送ることができる。
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同調査によって、ゲイコミュニティにあふれる「HIV陽性者=HIVを移す人」という偏見がなくなることを期待したい。