エジプト警察が、ゲイアプリを使用してLGBT当事者を逮捕・留置していることが、CairoScene(カイロシーン)というエジプトの情報を伝えるウェブマガジンによって明らかになった。
カイロシーンは「ここ数ヶ月のうちに、ゲイアプリを利用した警察による逮捕が多数あった」と匿名の情報を引用し報告している。
匿名の情報によると、エジプト警察はグラインダーを使用して、ユーザーのおおよその位置を把握し、プロフィール写真を元にユーザーを見つけ出していたという。
「エジプトでそんなに簡単に個人情報をゲイアプリでシェアしてしまうなんて、当惑せざるを得ない。出会い系アプリを使う人は、注意すべきだ」と同情報はアプリの使用方法について警鐘を鳴らしている。
エジプトにおいて、出会い系アプリを使ったLGBT当事者の逮捕は、これが初めてではない。エジプトの警察は、2014年にもグラインダーを使用してゲイ男性の身元を特定していたと言われている。
エジプトには同性愛者を取り締まる明確な法律はない。そのため当局によって同性愛行為が認められた男性は「逸脱した行為」という名目で取り締まられる。近頃は、トランスジェンダーの人々も取り締まりの標的になっているという。
また今年の初めには、エジプト人ジャーナリストが、ある銭湯にいた男性たちが性的に倒錯していると偽りの報道をし、その結果26人の男性が逮捕され、その後釈放されている。釈放されたうちの一人は、報道の影響を受け、焼身自殺未遂をしている。