スタンダップコメディにはまっています、旅ライターのがぅちゃんです。
海外(おもに英語圏)で人気のお笑いジャンルのひとつに「スタンダップコメディ」というのがあります。「漫談」と言ってよい内容のパフォーマンスのことです。
この記事では、有名なLGBTQのスタンダップコメディアンたちを紹介していきます。
(*動画はすべて外国語につき、YouTubeの翻訳機能で日本語字幕ONにしての視聴がオススメ)
「アメリカのゲイといえばこんな感じ」を体現したようなスタンダップコメディアンが、マッテオ・レーン。
「親しみが持てる人柄で元・歌手のゲイが、自分の生活の滑稽なシーンを自虐したり周囲をいじったりする」というパフォーマンスで知られています。
たまに歌うとき、さらっとミュージカルみたいになっていて面白いです。
ステレオタイプのゲイではなく、「平熱のイギリス人」といった印象が強いスタンダップコメディアンが、サイモン・アムステル。
「オタクな様子がうかがえるゲイでヴィーガンのユダヤ系イギリス人が、日常において悲観的で残念な着地をしてしまいがち」という味わいの漫談です。
「いかにもなオタクのキャラ」といった声も印象的です。
レズビアンのスタンダップコメディアンとして最も有名な人物のひとりと考えられているのが、オーストラリアのハンナ・ギャズビー。
「大学で美術史を専攻していたフェミニストの白人女性が、白人男性へのルサンチマンを匂わせながら男性や社会の茶番を糾弾する」といった芸風で知られています。
「ウォーク・コメディ(woke comedy)」 と呼ばれることもあり、議論の的になっています。
アメリカで最も有名な女性スタンダップコメディアンのひとりが、ワンダ・サイクス。
「地に足ついたレズビアンのおばちゃんが、社会問題などのナンセンスを左側からコミカルにつっこんでいじる」といった芸風で知られています。
フランス出身の白人女性である妻をいじるとき、「妻いじり」と「白人女性いじり」と「外国人いじり」という伝統芸をいっぺんにこなしていて、神業にちかい見応えがあります。
フランスで有名なレズビアンのスタンダップコメディアンが、シャーレー・スアニョン。
「とがった女性が、気まずさを置き去りにして人種差別などのナンセンスを皮肉する」という芸風で知られています。
余談ですが、目をつむってネタを聞くと、江戸川コナンがフランス語で喋っているように聞こえて面白いです。
中国系スウェーデン人でバイセクシュアルのスタンダップコメディアンが、エヴェリン・モク。
「イギリスのオーディエンスに向けて、エキゾチックな自分の近況をシニカルに語る」という芸風で知られています。
「英語圏の人に向けた、ユーモアの効いた自己紹介」といった聞き応えがあります。
ベトナム系アメリカ人でトランス女性のスタンダップコメディアンが、パティ・ハリソン。
「不思議ちゃんが、ぎこちない歌やダンスを発表する」という味わいのパフォーマンスで知られています。
一度見たら忘れられない芸です。
ニューヨークの名所「マディソン・スクエア・ガーデン」でパフォーマンスした最初のトランス女性スタンダップコメディアンが、ジェイ・マクブリッジ。
「そのへんにいる女といった雰囲気のトランス女性が、トランス女性としての自分の人生にふりかかる茶番を自虐気味に皮肉する」という芸風で知られています。
ほどよく気まずい聞き応えで、リアリティが感じられて面白いです。
オーストラリアのドラァグクイーンとしても知られている、ルーベン・ケイ。
「こてこてのドラァグクイーンが、わざとらしく破廉恥な大喜利をかましながら自分や社会のことを喋る」という芸風で知られています。
わざとなのかどうかわかりかねる絶妙な安っぽさがすべっているようにも見えなくなくて、事件性を帯びた魅力があります。
「南アフリカの美輪明宏」と言うと語弊があるかもしれませんが、そのような雰囲気があるのが、エヴィータ・ベザイデンホウト。
南アフリカ人でゲイの風刺家「ピーターダーク・エイス」によるキャラクターコメディです。お笑いというよりは、「ユーモアを用いた教育」といった味わいがあります。
ふざける気があるのかどうかわからないところが、つかみどころがなくて面白いです。