すべて日本未公開作品!
今年で15回目を数えるラテン映画の祭典『ラテンビート映画祭 2018』にて、日本未公開のLGBT映画が4本上映されることがわかった。
東京、横浜、大阪の3つの映画館を会場に11月いっぱい開催される。4作品それぞれ紹介していこう。
トランスジェンダーで、NYのクラブ界隈で知らない人はいないファッションアイコン、アマンダ・ルポールが主演する映画『I Hate New York(2018)』
アマンダ以外にも、男装の前衛アーティスト、キューバを脱出しNYにやってきたトランスジェンダー 、HIVと闘う元パンクバンドのボーカルなど、NYのアンダーグラウンドシーンで生きる4人を追ったドキュメンタリー映画。
スペイン出身のグスタボ・サンチェス監督が、2007年~2017年の10年間も彼女たちに密着し撮影を敢行。
彼女たちのアイデンティティや活動のエネルギー、NYのきらびやかなクラブカルチャーが垣間見れる傑作ドキュメンタリーとなっている。
世界三大映画祭「ベルリン国際映画祭」のLGBT映画部門「テディ賞」を受賞したブラジル映画『ハードペイント』。
閉塞感のただようブラジル南部の都市が舞台。主人公・ペドロは、「光る蛍光塗料をカラダに塗り、踊るパフォーマンス動画を撮影してネット公開している」という、ネット社会に生きる引きこもり青年。
そんなペドロは、時には金のためにユーザーからの要求に応じた行為に及ぶこともあり──。
デジタルな世界でしか自己表現ができない孤独な青年ペドロの日常を描いた作品。ボディペイントが魅せる、独特の映像美は必見だ。
女性同士の恋愛を描いたスペイン映画『カルメン&ロラ』。
マドリード郊外で暮らす主人公カルメンは、他の多くの女性たちと同様に結婚適齢期に結婚し、母になる人生を歩もうとしている。
一方、ロラは、同じ地元出身ながら、大学進学を捨て絵描きになることを望んでいる。カルメンとロラは互いに惹かれあっていくのだが、カルメンはロラの従兄弟の婚約者という、許されぬ仲だったのだ。
古い慣習にしばられる田舎で、若い女性同士の恋愛をピュアに描くラブストーリーとなっている。
米国アカデミー賞の外国語映画部門で、パラグアイの代表作品にもなったレズビアン映画『相続人』。
外交的なチキータと、部屋で絵を描いて過ごすのが好きなプライドの高いチェラは、長年を共に過ごしてきた熟年レズビアンカップル。
おだやかな生活をおくっている最中、チキータが逮捕されたことによりチェラの生活は一変。
一人で生きることを余儀なくされたチェラは、近所の裕福な老婦人のための運転手をはじめるのだった──。
LGBT映画は数あれど、中年のレズビアンを描いた作品は少ない。そんな中年レズビアンならではの苦悩や心の揺らぎを繊細に描いた作品だ。
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ラテンビート映画祭は、東京・新宿の「バルト9」にて、11月1日(木)~4日(日)&9日(金)~11日(日)と2週間にわたり開催。
大阪・梅田の「梅田ブルク7」では、11月17日(土)~18日(日)。神奈川県・横浜の「横浜ブルグ13」では、11月23日(金・祝)~25日(日)開催。
場所を変えて11月いっぱい開催されるので是非ともお見逃しなく。
作品は映画館によって異なるので、詳しくは公式サイトをチェックしてみて。