アメリカで実施された調査によると、LGBTの若者ホームレスは、性的搾取が目的の人身売買の被害に遭いやすいことが明らかとなった。
若者ホームレスシェルター団体「コヴェナント・ハウス・インターナショナル」が、米ロヨラ大学に「若者ホームレスの人身売買の実態」についての調査を依頼。
米国&カナダ在住の17歳から25歳までの641人の若者を対象に調査を実施した。
結果、5分の1近くの対象者が何らかの人身売買の被害者になっていることが分かった。
調査は、性的搾取を目的とした人身売買の定義を『人を性の商品として、詐欺や力によって、雇用すること、かくまうこと、輸送すること、提供すること、保持すること』としており、この定義には18歳以下の人々も含まれている。
人身売買に遭った被害者の内、74%がセックスのための人身売買に遭い、41%が労働、17%がセックスと労働を強制されたという。
セックスのための人身売買に遭った92人の若者のうち、3分の1以上がLGBTであることが明らかになった。
ホームレスの若者は、貧困やメンタルヘルス、性的暴行を受けた経験、無職、不安定な住環境などが原因で、セックスや労働のための人身売買の被害に遭う可能性が非常に高いそうだ。
また同団体が、ペンシルベニア大学に依頼した調査結果によると、5分の1近くの調査対象者が性的搾取を目的とした人身売買の被害者であることが明らかとなった。
その内の39%はLGBTであったという。
LGBTの中でもトランスジェンダーが被害にあいやすい
どちらの調査においても、トランスジェンダーの若者ホームレスが、最も人身売買の被害者になりやすいことが分かった。
ペンシルベニア大学による調査においては被害者の60%、ロヨラ大学の調査においては被害者の56%が、トランスジェンダーだったのだ。
どちらの調査においても、サンプル数が十分であるとは言えないが、トランスジェンダーの人々を取り巻く性的搾取を目的とした人身売買が多発していることは明らかのようだ。