編集部:副作用をはほとんどないみたいですね。PrEP開始後のセックスライフはどうですか?
タダシさん:PrEPをはじめてから最初の1ヶ月は、なんというか、無敵の気分でした(笑)
だって、いくら生でしてもHIVにならないし、最強のツールを手に入れた気分です。誰とでも好きな時にやれる開放感がありました。
あと僕はウケなので、ゴムを付けるタチにたよらない自分の意思でHIVを予防できるのが魅力です。
編集部:たしかに、ゴムを付けてくれないタチもいますからね。自分で防御できるのは大きなメリットですね。
逆に、デメリットをあげるなら?
タダシさん:日本でPrEPの認知度が低いせいか、PrEPしてるだけで「生好きの変態ヤリマン」と思われることですね。
僕的には、正しいHIVの知識をもって、しかもお金をかけてPrEPというセーフの手段を取っているのに、それを生好きの変態と思われることは心外ですね。
PrEPについて書かれた海外記事をよむと、専門家はコンドーム単体よりもPrEPを飲んだ方がHIVの予防効果が高いといっているくらいですから。
ただ、PrEPで防げるのはHIVだけなので、ほかの性感染症にかかるリスクはありますよね。
PrEPをしている最中は3ヶ月に1回の定期検査は必須なので、HIV、肝炎、梅毒を調べています。
とくに肝炎がこわいので、近々A型・B型のワクチンを打つ予定です。
編集部:なるほど。それ以外でPrEPをはじめて何か気づいたことはありますか?
タダシさん:PrEPをはじめてから、「よし生でやるぞー!!」って思ってたんですけど、いまは生とゴムは半々ぐらいです。いくらPrEPをしてると言っても、セーフ派の人は絶対ゴムしますからね。そこは相手の意見を尊重しなきゃなとは思っています。
あと、セックス相手にPrEPをしていることを伝えると、「え、なにそれ??」って興味津々な人もいて、そこから会話が広がって、セーファーセックスのことやHIVのことなども話す機会が増えましたね。
ふだんHIVやセーファーセックスについて語ることなんてないじゃないですか?PrEPがそのキッカケになっているような気がします。
編集部:PrEP開始から半年たって、今後も継続しようと思いますか?
タダシさん:はい、当分は続けていきますね。
ただ、ずっと続けるかはわからないです。性欲にも波があると思うし、僕自身この1・2年は性欲が高まっているだけで、あと数年経って落ちつく可能性もありますし。
あとは長く付き合うパートナーができたらPrEPはやめると思います。
編集部:日本でもPrEPについて興味を持っている人多いと思います。
もしPrEPを勧めるのであれば、どういう人に勧めたいですか?
タダシさん:必ずゴムをする人はPrEPをする必要はないと思います。勧めるなら生でやる人たちですね。
だって、これだけ行政やメディアが「HIV予防にはゴムつけましょう」って何十年も言っているのに、毎年数千人もHIVにかかる人がいるじゃないですか?
最近は若い子の間でも増えてるって聞きますし、HIVになっていることを知らないでエイズになる人もいるし。
PrEPをはじめて思ったんですけど、リアルでもハッテン場でも生でやる人が本当に多いんだなぁって。
こっちが言わないとゴムつけることをしない人なんて本当に多いですから。
だからこそ「必ずゴムするか」「PrEPするか」、どっちかにしてほしい!
何もしないで生でやる人が減ってほしいと思います。
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匿名とはいえ、赤裸々に語ってくれたタダシさん。
PrEPに興味がある人はかなり参考になったのではないだろうか?
ちなみに、日本では年間約1500人が新たにHIV/エイズに感染しており、特に20代前半の若年層と50代以上のシニア層の感染が増えている。
これまでコンドームが唯一のHIV防御手段だったが、新たな手段としてPrEPは有効だ。
もしリスクの高いセックスをしている人は、いま一度自身のセックスライフを見直してみてほしい。
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