旅ライターのがぅちゃんです。
「あのお店すごかった」と、ゲイの友達に教えたくなったお店を紹介する企画が【GAYめし】。
今回おとずれたのは、今も紛争が続く中東のパレスチナ。同性愛に寛容ではなく、ゲイセックスで懲役10年になりえる地域も存在します。
そんなパレスチナで「世界一眺めの悪いホテル」の異名を持つ「ザ・ウォールド・オフ・ホテル」に、ゲイ6人で行ってきました。
リアーナとのコラボ曲で有名な「DJキャレド」や、アメリカのベア系お笑い芸人「モハメド・アマー」のルーツが、パレスチナ。
隣国のイスラエルとの紛争(イスラエル・パレスチナ紛争)で名前を聞くことも多いパレスチナは、LGBTQに寛容でないことで有名です。
パレスチナには2つの地域(ガザ/Gaza、ヨルダン側西地区/West Bank)があり、それぞれルールが異なります。
「ガザ」は厳しく、男性同士のセックスが懲役10年となる場合があります。「ヨルダン側西地区」では、ゲイセックスは合法ですが、ハラスメントは常在しているとされます。
2022年には、ガザより寛容とされるヨルダン側西地区で、ゲイの首を切断するという事件が起こっています。
ヨルダン側西地区にある町「ベツレヘム」は、世界的に有名な観光地です。
世界遺産の「降誕教会(こうたんきょうかい)」はイエス・キリストの生誕地と言われており、世界各国から観光客が訪れます。
観光では、隣国のイスラエルの「西エルサレム」からベツレヘムを訪れる人が多いです。車で約20分の道のり。
西エルサレムよりワゴン車で入国を試みたゲイの我々6人は、イスラエル・パレスチナ紛争を描いたドラマ「ファウダ」さながらの危険…
…とかいうことはなく、普通に入国できました。ガタガタの道が多くて怖かったです。
ベツレヘムにて、国際的に非難される「ヨルダン川西岸地区の分離壁」の前にあるのが「ザ・ウォールド・オフ・ホテル」。
この特殊な立地と景観が、「世界一眺めの悪いホテル」と呼ばれる所以です。人類の悲劇を観光する「ダークツーリズム」の文脈で紹介されることも。
こういった文脈をひっくるめて観光名所になっているザ・ウォールド・オフ・ホテルは、イギリスのアーティスト「バンクシー」がプロデュースしたことでも有名です。
えらいもんで、内部はバンクシーの美術館のようになっており、ロビーに併設された飲食店「ピアノバー」では、宿泊者以外の利用も可能。
店内では英語が当然のように通じ、外国人のゲイが6人で飲んでいてもワイルドではない雰囲気。
それにしても、イスラム世界のパレスチナにイギリスのコンセプトカフェがあるの、なぁぜなぁぜ?
…なんて言おうものなら、しばかれそうな雰囲気ではありました。